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手札論2

どうも、素破です。
前回に引き続き、手札についての自分の考えをいくつか述べていく。今回は結果捨てられることになったカードと手札内での関係性、また個別にいくつかのスペルについても論じてみよう。

■使う、だけじゃない

前回、手札保持によってもたらされるメリットから、効率良くカードを消費していくだけが有利な展開に繋がるとは限らないことを述べた。
持ち続けることによる攻撃的な牽制であったり、防御層の提示による代案の強要であったりというメリット。
一方、効率良く手札を清算したが故に、乱数による速度調整が利かず、徹底マークを受け出し抜かれるといったデメリット。
プレイヤー間の力関係や現状把握という面で手札内容は重要な情報源となるし、結果各自担っている役割が見えてくる。


だがここで疑問が湧く。各プレイヤー間の力関係や役割が絶えず変動し続けるのは何故だろうか?
土地、手札という常時公開された情報と、ダイスやドローによる非公開で不可知の情報が組み合わさっており、決め打って動くことが難しい、というのが一つ。これはむしろ盤面が煮詰まった終盤の方が、かえって判断が難しい時も多い。

もう一つは土地というイベントに対して、敵味方どちらにせよ一人が関われる回数が少なく、その時期がアバターの位置によって視覚的に分かることにあると考えられる。
たとえ侵略力のあるグレアムシェイド持ちがいたとしても、肝心の重要な土地から遠いのであればさほど脅威ではない。そこに至る前の交換なりシャッターといった猶予があるし、第三者が横槍を入れるなら後々の自分の利益を予測して加担するか否かを検討せねばならない。

このようにイベントに対する役割は立ち位置による大まかな時期予測と時限性の元に成り立っており、そこに不可知の要素も絡んで目まぐるしく大小様々、変動するということだ。


逆説的な物言いになるが、最終的に使うことなく捨てられていったカードとは、使用せずともその役割が果たされたケースも少なくないのではなかろうか。「全員の手札が見える」からこそ、手札にあるだけで用を成すということが起こり得る。

前回例に挙げた初手アースシェイカーだって、それ自体は不運かもしれないが、合わせてイビブラや石化コンボが搭載されているのでは?といった懸念を抱かせることもあるかもしれない。
そのカードは必要だから持ち込まれたわけで、貴重な情報源でもある。捨てる側はそれを逆手に取るための釣り行動としてもいいし、劣勢を示して真っ直ぐ走るのもいい。
持っておく、に加えて、引いてきた。これだけでも微量ながら相手の検討材料としてゲームメイクに加わったという事実を、ここでは指摘しておきたい。



■ファインドの強み

話は変わる。以前ファインド(とその前はゼロックス理論)について議論があり自分も遠巻きに眺めていたが、なんとも扱いの難しいカードであると思う。ちなみに自分は割とすぐファインド捨てる。

圧縮はあくまで事故緩和と状況を大きく変えたい時の手段であり、その場面で不要だと思えば捨ててしまって良いという考えが根底にある。ファインド自体はその手段としてのパワーが小さいし、含めて4枚以下でなければ常に捨て札が発生するという事も考慮せねばならない。スペルターンに余裕のないマップでは重すぎる部類のカードだ。

ファインドは何が強いのか。これ1枚で何回でも1ドローできる点・・・が本質ではないな、というのがその時感じていた事だ。
ファインドを使い続けながら手札を4枚以下に保つなんていう状況はかなり稀でもある。つまりこのカードは引く、捨てるを常態化することによって、
・役割や力関係をいつでも突然変更する
・それでいて継続的な手札内容の提示
が両立できる点ではないだろうか。

捨てることによる引き算での影響で相手を動かしやすくなる。これは手札だけでなく残りの山札も要素として使っているので、結果的には圧縮引き撃ちという足し算も活きてくるわけだ。グレアムシェイド保持から突然捨てて増資させ引き撃ちアバランチ、などが極端な例。

突然の変更だけならリンカネほど大きくは変わらない。しかしリンカネは大量のカードを捨てるので、前の役割には戻れないであろうことも勘案して使用しなければならない。
ファインドは微調整による現状維持と急展開の両方を見ながら、継続的に圧縮できるカードと考えることができる。自発的に捨て札を作れるカードとも取れる。


そこでピンと来たであろう、デコイやボジャノーイなどのいわゆる要生贄カード。あきらかにデメリットとして付けられたコストではあるが、これまで述べた役割や力関係といった視点でなら、これも利点として使えそうな気がしてくる。
ファインドと逆に手札が一気に2枠空くので、これから引いてくるカードの保持に余裕ができる。要らないカードを捨てることで、提示する役割と手札枠を任意にこの場で変更するメリット要素、という見方も面白いかもしれない。
そんな文脈から次は、自分が非常に魅力を感じているスペルの考察で記事を終えたい。



■スクイーズから見るシステム観

以前も述べたが、一番好きなスペルがスクイーズである。その理由はDS版の頃であれば、なんでも壊せるのに加え、天トラの邪魔ができるというおそらく開発側が想定していなかったであろう、ユーザー発のフレキシブルな用途の広さと答えた。相手に地変代を与えるデメリットを有効利用する方法論が、念の制約と誓約みたいで当時たいへん気に入っていた。

今作は天トラがちょい下火であることから、任意の場所で現金を生む能力も悪くなく、防御としてクリ破壊の利点も健在。
またシステム上、ドレインマジックの存在感が増している。Lv4マジブしようとしてる相手にあえて150G渡すことで、防具を割りつつドレマか危険なLv5を迫ることもできる。
そして今なら、自分の手札を破壊できることを挙げたいと思う。デコイなどと違い100Gの利益付きだ。前回述べた保持札としても、スクイーズはその役割を非常に広く取ることができ、見る者によって解釈の違いを生む可能性もある。これほど地味ながら雄弁なカード
はなかなか無い。

以前カナリアで、スクイーズ3枚での順位操作とその攻防に特化した本を用いたこともあるが、どちらかというとテレポートのようにマップ毎の有用度が変わるカードだと思う。採用の基準としてなぜシャッターでないのか?を必ず検討しなくてはならないし、壊す必要のあるカードが在るのか否か、いざ壊す時に150G渡せるのかどうかも。

けして万能ではない。しかし手札にあり続けた時の影響力とそれ自体の捨て易さ、序盤から終盤まで使用の動機を失わない優れたユーザビリティは、手札や土地、手持ち魔力といったカルド特有のシステムを考える上で、多くのアイデアをもたらしてくれる。
むしろマップ攻略を始める際、スクイーズがどう機能するかという所から考える時もあるくらいだ。


余談になるが、手札破壊のことをカルド界隈では「割る」と表現する。これはシャッター由来のカルド界独特のものなのだろうか?スクイーズは絞るとも言うし、スミス系は鍛えるとも言う。
割った破片がどこに飛ぶのか、鍛えると強くなるのか、なんていう言葉遊びも知恵を絞る際のヒントになり得るかもしれない。



■おつでした

2回に渡り手札論を述べてきたが、きっかけはやはり形勢判断の精度アップと、考え方の切り口を多面化したい思いがあった。特に自分は興味も攻略アプローチも、カードよりマップに偏りがちだったからだ。手札であれば予測立てた計画性と、相反するブラフも時には必要だ。
何しろカルド、手札で喋る。狂言めいても通らば論理。


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